残る3.7%の職業へ。

仕事・休日・趣味など毎日の出来事や、職業や勉強を通して世間に発信したいことなど、マルチに書いております。

“労働”と向き合う

おはようございます。こんにちは。こんばんは。


写真は先日彼女に運転を任せて生きた心地がしない中で撮影した伊勢湾岸自動車道の「名港トリトン」。相変わらず素晴らしい景色でした。



さて、今般ブラック企業が跋扈する日本の労働社会に私なりの処方箋を提案していくシリーズですが、なんとも連続性のある言い方をしておいてこれが初です。←



誰が生き残るのか


戦場(社会)では、まともな人間から死んで行く。


労働環境に係る人間関係の重要性はとても大きいことは自明です。

最近では大手広告会社の若手社員が過労自殺したり、来たる東京オリンピックのための新国立競技場の建設現場監督の自殺など、「若い力」が早々に途絶えて行く構図が散見されます。
特に後者は、「平和の祭典」を歌うオリンピックの会場の建設現場の人間が自殺というなんとも皮肉で本末転倒な格好になっています。バカも休み休み言えよ!


これが国際社会に広く知れ渡り多くの批判を浴びることで日本の労働環境が良くなりさえすれば犠牲となった尊い若い命も少しは浮かばれるのですが…


ところで、先に述べた「戦場(社会)では、まともな人間から死んで行く」というのは、行ってしまえばこれは極論です。
極論ですが、とても示唆に富んでいる一文でもあります。



3つの世界


第1に、ある国が、しっかりと法整備がなされ、適切な労働環境が保証され、正当な報酬を受け取る権利が保証されている「社会」であったならば、確かに「ズルい」人間が得をしてしまうところもありますが概ね全ての人間が真っ当な生活を送ることができるでしょう。


これを「世界A :ホワイト社会」としましょう。



では第2に、ある国では、まずもって法律などは皆無で、無政府、内紛・内乱が勃発する労働環境云々ではない「社会」であるとします。
ここでは生きるか死ぬか、ズルくても何としてでも命を守るために戦う人間が生き残って生きます。まともな人間は利用され、虐げられます。弱肉強食の世界とも言えます。


これを「世界B:色のない社会」としましょう。



そして第3に、ある国では、一見法整備が整えられ、適切な労働環境の保証や労働者の権利を謳っているが、その実は平然と違法行為が蔓延している「社会」であるとします。
ここでは、まともであればあるほど生きづらくなります。ズルい人間が法の盲点を付いてあらゆる手段でまともな人間を搾取します。
この世界では、単純な力ではなく、人間が決めた規則に従う社会でありますから、個人の持つ知識量も重要になっています。


これを「世界C:グレー社会」としましょう。





全体を俯瞰してみると段々と見えてきませんか?


世界Aと世界B・Cはかなり差がありますね。世界Aが理想だとしても、全員がそれなりに十分な生活を送れる社会はなかなか実現するのは厳しそうですね。


それでは、世界Bと世界Cについて、この2つを比べてどう思いますか?



私は、双方は大して変わらないんじゃないか?と思ってしまいます。



力の所在というか、その形状は違えど、まともな人間から死んでいく社会に相違ないですよね。ただ、その虐げられ方が異なるだけで。


世界Bでは、ずる賢く立ち回り、時には犯罪に手を染め、時に人を殺してでも命を守らねばならない状況があったりします。
強いて言えば、時に人が人の命を奪うような、生死を分かつ駆け引きをしているのが世界Bと世界Cの最大の相違点でしょうか。


そして、世界C。これが最も現在我々が生きる世界の近似値ではないでしょうか。

日本には憲法があり、法律があります。きちっと労働基準法が整備されているのに、ブラック企業大国と言われ、先進国にしては考えられないほど劣悪な労働環境で働かされている人が少なくありません。


まともに社会貢献をしよう、精一杯親孝行しよう、そう言った夢膨らませた若きまともな労働者たちに、ズルい人間がやりがいや使命感や義務感を植え付けて駒として利用するのです。使命や義務で働けるのは一部の狂人のみ!!!

そう、今の日本人はまともな人間が多すぎるのです。
いえ、多いことは本当はいいことなのですが、いいように利用された多くの「まともな人間」が、妙に連帯し共に耐え忍ぶことで、余計に自分たちの立場を貶め、自らの首を絞めてしまっています。



悪徳を知る


三島由紀夫は不道徳教育講座というエッセイで不道徳・悪徳は人間に必要な教育科目の一つであることを示唆しています。


人間は、悪徳を知って初めて悪に対処する術を持つのであって、悪徳を何一つ知らない人間こそ悪徳によって不幸になる
ものだと。


例えば、数年前から跡を絶たない「特殊詐欺(オレオレ詐欺とかですね)」。
電話の向こう側に悪徳を働く人間がいる、という認識を常に持たなければ、果たして「特殊詐欺」への知識が浅い高齢者などがいいカモになってしまうわけです。
逆に特殊詐欺をやっている人に「あっ、オレオレ、オレだけど…」なんて電話越しに言えば即効で切られることでしょう。


ですから、我々は前提として、残念ですがこの世界が悪徳で満ちていることを認識しなければなりません
ズルをしてはいけないことだという悪徳者が用意した認識をずらして、新たな見方を用意しなくてはならないのです。
正直者が馬鹿を見る」、残念ながら現在の社会はこのことわざを具現しています。


落ち着いてよく考えてみましょう。世の中がズルい悪徳で満ちているのに、自分一人まともになってどうしようというのでしょう?悪徳者全員を改心させますか?


何も悪徳を無理に働けというのではありません。悪徳を知ることが重要なのです。


例えばサービス残業。これは経営者側が明らかに悪徳を働いていますよね?
これをまず自分で認識することが大切です。「無理が通れば道理が引っ込む」というように、経営者という立場を利用した悪徳によって無理(違法労働)が道理(法令遵守)を引っ込ませています。
この状況、労働者が束になっても改善するのは容易ではありません。
ではどうするか。


私ならサボります。悪徳には悪徳で、職務怠慢上等ですよ。


もちろん、それでは仕事が回らなくなる、他の人にも迷惑をかける、会社に迷惑をかける、そんなことできたら苦労はしない、果てはクビになる…などなどたくさんの反論があることでしょう。


でもそれら全て、私にとっては虐げられても何とか生活できている人たちの甘えにしか聞こえません。
この、人間の尊厳が損なわれつつも生命の維持だけできるという世界Cの状態が最悪なんですよ。
この状態が一番まともな人間を殺すんですから。



仕事なんて回らなくていいじゃないですか。
他人に迷惑かけていいじゃないですか。
会社に迷惑かけていいじゃないですか。
果てはクビになってもいいじゃないですか。

だって労働に対する正当な報酬を受け取ってないんですから。
経営者側が「違法労働」という紛れもない悪徳を働いているのですから。



働きに対する正当な報酬こそが労働力を提供する労働者と使用者を結びつける土台となります。
それなのにその違法性を見て見ぬ振りしていませんか。
まともに働いているフリをしているのではありませんか。
1時間サービス残業をすればその分命削って経営者にタダで貴重な労働力あげてるんですよ。腹立ちませんか?

まともであろうとするがゆえにみんなで我慢して、みんなで耐えて、みんなで苦労する羽目になっているんですよ。
そして一度悪徳を悪徳でうまく対処しようとする人が現れればやれ協調性がないだの最近の若者はやる気がないだの言ってさもまともであることが正しいとばかりに悪徳者をこぞって糾弾するのです。
繰り返しますが世界Cでは「戦場(社会)」ではまともな人間から死んでいく」んですよ。
このことをゆめゆめ忘れないでください。


一丸となって


しっかりと悪徳を知り、悪徳に対処できる術をみんなが持てば違法労働はかなり減少すると私は考えています。
日本人は特別周囲との連帯感を重視し、調和を乱す行動を極力控えます。
これを美徳とも捉えられますが悪徳者にとってはこの上なく扱いやすいんですよ。

「皆んな苦労してる」とか「苦しいこともあるけどみんなで頑張ろう」とかそう言った我慢大会の応援みたいな組織運営を見ると腹わた煮えくりかえりますよ。
違法労働してるのにまともに働く必要なんてないんですよ。


社員のほとんどがサービス残業を強いられている会社で、皆んなで我慢して虐げられるのではなく、みんなでサボってみてはいかがでしょうか?

一人でサボるのは仲間外れにされたりクビにされたりするのが怖いですが、ここで日本人特有の連帯性を活用してみんなで悪徳を働いてみてはどうですか。


そうすればブラック企業などあっという間に潰れて淘汰されていきますよ。
そうすることで「まとも」な企業が伸び代を得て雇用を増やし適切な労働環境で働ける人間が増えていくと思います。


もちろん、ブラック企業といえどもそこで働いて正当ではないにしろ給料をもらっていたのですから、潰したのはいいけど無給になってしまう期間が必ず発生します。
これがみんなで一斉にサボらない一番の要因だとは思うのですが、経営者は大概それをも考慮して悪徳を働くものですから断固立ち向かっていかなければなりません。


ですから、そう言った勇気あるサボりを成し遂げた人にはしかるべき生活保護が必要です。
最低限の生活、就活ができるような経済水準を維持させることができるような政策が必要です。
その一つとして興味深いのが「ベーシック・インカム」ですね。
全ての国民に無職・有職を問わず一定の金額を給付する制度ですが、最近になってフィンランドで試験運用が開始されたそうです。
この制度を利用して最低限の生活を担保することができれば、ブラック企業がたちどころになくなる日本も少しは想像がつくというものです。

最も、ベーシック・インカムには膨大な予算が必要ですから、その財源をどこから持ってくるのかということも重要です。
私的には高所得者、いわゆる会社経営者などから(悪徳を働いて私腹を肥やしていた人間には特に多めに)徴収すればいいと思いますけどね。笑

所得の再分配と経済の活性化の点からもこのやり方は支持できます。
当然会社経営者など権力の大きい人間たちが反発するでしょうから一筋縄ではいかないでしょうが、それに怖気付くことのない政治家に国策を任せたいものです。




もっと楽しましょう、もっとサボりましょう、みんなの為に。










それでは長くなりましたが最後までお読みいただいてありがとうございました。長文・乱文失礼申し上げます。皆様からのご意見お待ちしております。

×

非ログインユーザーとして返信する